青空文庫テキスト変換
注記一覧 青空文庫 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)捧《ささ》げる |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)十六|歳《さい》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#ページの左右中央] ------------------------------------------------------- https://www.aozora.gr.jp/annotation/index.html ----------------------------------- [#大見出し]レイアウト 1[#大見出し終わり] ----------------------------------- 記入例 …頗《すこぶ》る理論の品価を増《まし》たるもの多し。明治八年三月二十五日、福沢諭吉|記《しるす》。 [#改丁] [#1字下げ]文明論之概略 巻之一[#「文明論之概略 巻之一」は大見出し] [#3字下げ]第一章 議論の本意を定る事[#「第一章 議論の本意を定る事」は中見出し] 軽重、長短、善悪、是非等の字は、相対《あいたい》したる考えより生じたるものなり。… …もし得ることあらば、他日これを記してその功徳《こうとく》を表《ひょう》し、もって世人の亀鑑に供すべし。 [#地から1字上げ](明治七年三月出版) [#改ページ] [#1字下げ]学問のすゝめ 八編[#「学問のすゝめ 八編」は大見出し] [#地から3字上げ]福沢諭吉著 [#5字下げ]我心をもって他人の身を制すべからず[#「我心をもって他人の身を制すべからず」は中見出し] アメリカのウェイランドなる人の著《あらわ》したる「モラルサイヤンス」という書に、人の心身の自由を論じたることあり。… [#改見開き] [#1字下げ]待ち合いで警官の不意打ちを喰う[#「待ち合いで警官の不意打ちを喰う」は中見出し] ビゴーのスケッチが迫力に富んでいるのは、日本人の顔を実に巧みに描いているからである。女性も男性も、老いも若きも、職業的顔の特徴も見事に描き分けている。… …彼らの青春のすべてを決して見ることはない一〇〇万の観客に捧げたことに、十分な感謝もしていないようである。 [#改段] [#3字下げ]2 最近まで、私はフランスにいた[#「2 最近まで、私はフランスにいた」は中見出し] 一九八三年の七月一四日、フランス革命記念日、フランス大統領は、コンコルド広場の記念塔の下にたって、… ----------------------------------- [#大見出し]レイアウト 2[#大見出し終わり] ----------------------------------- …ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。 [#3字下げ]灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色 九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、… …ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。 [#ここから3字下げ] 灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色 [#ここで字下げ終わり] 九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、… …然し愚な純な弱い白が、主人夫妻にはいつまでも忘られぬのである。 [#ここから5字下げ] 白は大正七年一月十四日の夜半病死し、赤沢君の山の上の小家の梅の木陰に葬られました。甲州に往って十年です。村の人々が赤沢君に白のクヤミを言うたそうです。「白は人となり候」と赤沢君のたよりにありました。「白」は幸福な犬です。 大正十二年二月九日追記 [#ここで字下げ終わり] [#改ページ] …た原稿を読み、私はぼんやり考へ耽けるのであつた。 [#ここから2字下げ] 神様、私の死にます日が美しく清らかでありますやうに。 [#ここから4字下げ] 私の文学上のまた他の不安が、そして生涯の皮肉が、きつと私の額の大きな疲れを離れるでせう この日が大きな平和のうちにありますやうに。 私が死を望むのは、それは全く身振りを作る者達のやうにではありません、本当に全く素朴に、 人形のやうに、小さな子供のやうにです。…… [#ここで字下げ終わり] これは小村菊夫が訳したフランシス・ジヤムの詩の一節だ… 数時間、めいめい遠慮なくしゃべった。それから、委員が起立して読みあげた。 [#ここから2字下げ、折り返して3字下げ] 一、托児所は、村から追放された富農ブガーノフの小舎におくこと。 一、集団農場と村ソヴェト衛生委員会との協力によって毎月二十ルーブリ支出し、ブローホフ村の医者を七日に一遍ずつまねくこと。 一、保母二人。候補者、後家マルーシャ、青年共産主義同盟員ニーナ。 一、各集団農場員は、托児所へよこす子供持ちと否とにかかわらず、最小限枕一箇、敷布一枚を、托児所のために持ちよること。 一、托児所へ子供をあずける集団農場員は、出来るだけその子供がこれまで使用していたもの、例えば揺籠、箱、寝台などをつけてよこすこと。 一、組織された集団農場托児所の経営は、集団農場衛生委員会が経済的責任を負う。 [#ここで字下げ終わり] [#地から4字上げ]以上 パチ、パチ、パチ。 [#5字下げ]遺言状[#「遺言状」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 一 余死せば朝日新聞社より多少の涙金渡るべし 一 此金を受取りたる時は年齢に拘らず平均に六人の家族に頭割りにすべし例せば社より六百円渡りたる時は頭割にして一人の所得百円となる計算也 一 此分配法ニ異議ありとも変更を許さず [#ここで字下げ終わり] 右之通 [#2字下げ]明治四十二年三月二十二日 露都病院にて [#地から2字上げ]長谷川辰之助 [#ここから1字下げ] 長谷川静子殿 長谷川柳子殿 [#ここで字下げ終わり] [#ここから2字下げ] (叫《さけ》ぶ。)「何だ。まっくらじゃないか。今ごろになってまだあかりも点《つ》けんのか。」 兵士等辛うじて立ちあがり挙手の礼。 [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 大将「灯《あかり》をつけろ、間抜《まぬ》けめ。」 [#ここから2字下げ] 曹長点燈す。兵士等大将のエボレット勲章等を見て食せんとするの衝動《しょうどう》甚《はなはだ》し。 [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 大将「間抜けめ、どれもみんなまるで泥《どろ》人形だ。」 [#ここから2字下げ] 脚を重ねて椅子《いす》に座す。ポケットより新聞と老眼鏡とを取り出し殊更《ことさら》に顔をしかめつつこれを読む。しきりにゲップす。やがて睡《ねむ》る。 [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 曹長(低く。)「大将の勲章は実に甘《うま》そうだなあ。」 [#ここで字下げ終わり] …一道《いちどう》の光明《こうみょう》を認めさせたのであった。それは―― [#ここから2字下げ] 微罪《びざい》不検挙(始末書提出) 活動写真撮影業及び活動写真機械及附属品販売業|並《ならび》にフィルム現像《げんぞう》、複写業《ふくしゃぎょう》 [#ここで字下げ終わり] [#地付き]樫田武平(二四歳) (住所) といった、今日の事件に関係なく記入された覚《おぼ》え書き… [#2字下げ]恋しき恋しき恋しき [#4字下げ]武男様 [#7字下げ]御もとへ [#ここから2字下げ] 恋しき恋しき恋しき 武男様 御もとへ [#ここで字下げ終わり] ◯四月に於けるわが収入は、金五十二円八十銭であった。大学卒業後今日までに於ける最低収入の月であった。記憶に値する。 [#地付き](この日記終り) 「そうかも知れませんね。」 二人はそれぎり黙って風呂へはいった。[#地付き](掲載誌不詳、『十番随筆』所収) …さう思ひながら、私はここにこの思ひ出、第十一の筆を擱く。 [#ここから地付き] ┌昭和十八年四月二十四日稿了┐ └ 同 四月二十九日清書┘ [#ここで地付き終わり] ▲3行目の「(昭和十一年五月、麻布飯倉《あざぶいいくら》にて)」が、行をあらためて地寄せされています。 記入例: …い考えである。自分らの欠点を改善し、また自分らの過誤を除去することは、実に自分らの幸福と言わねばならない。 [#地から2字上げ](昭和十一年五月、麻布飯倉《あざぶいいくら》にて) まれに、きわめてまれに、天の焔《ほのお》を取って来てこの境界のガラス板をすっかり熔《と》かしてしまう人がある。[#地から1字上げ](大正九年五月、渋柿) [#改ページ] …推定十万ポンドに達している。 [#ここから地から1字上げ] ――一九七一年四月二十七日付 ≪ザ・タイムズ≫ [#ここで字上げ終わり] ----------------------------------- [#大見出し]レイアウト 3[#大見出し終わり] ----------------------------------- [#ページの左右中央] [#3字下げ]短章 その一[#「短章 その一」は中見出し] [#改ページ] [#ページの左右中央] [#ここから5字下げ] 棄てた一粒の柿の種 生えるも生えぬも 甘いも渋いも 畑の土のよしあし [#ここで字下げ終わり] [#改ページ] [#ページの左右中央] [#3字下げ]海道東征[#「海道東征」は大見出し] [#改ページ] ----------------------------------- [#大見出し]見出し[#大見出し終わり] ----------------------------------- [#2字下げ]上 先生と私[#「上 先生と私」は大見出し] [#5字下げ]一[#「一」は中見出し] 私《わたくし》はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚《はば》かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執《と》っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字《かしらもじ》などはとても使う気にならない。 [#中見出し]※[#ローマ数字1、1-13-21][#中見出し終わり] [#中見出し]亜細亜《アジア》の曙《あけぼの》[#中見出し終わり] …此考《このかんがへ》がつまり 入藏《にゆうぞう》を思《おも》ひ立ツた原因《げんいん》[#「入藏を思ひ立ツた原因」は同行中見出し] でありまして丁度《てうど》其時《そのとき》が明治二十六年の四月で今《いま》より滿《まん》十年餘《ねんよ》以前《いぜん》のことで御座り升けれども西藏は嚴密に鎖國主義を實行して居る國で… …凡廿五六丁にして波荒くなり來りける。 [#1字下げ]龍王岬[#「龍王岬」は窓中見出し] 峨々たる岩岬海中に兀出す。一歩として上らるゝ場にあらず。怪松五六株(繁)茂セり。又此岬より貳三丁隔て、又海中ニ磊々たる嚴石疊上たる小じま有。是を則 龍王嶋[#「龍王嶋」は窓中見出し] と云り。松の樹六七株。高凡五六丈。… ----------------------------------- [#大見出し]外字[#大見出し終わり] ----------------------------------- ※[#「てへん+劣」、第3水準1-84-77] ※[#「口+世」、U+546D、ページ数-行数] ※[#「土へん+竒」、ページ数-行数] ※[#二の字点、1-2-22] ※[#ギリシア小文字ファイナルSIGMA、1-6-57] 繁雑な日本の 〔e'tiquette〕 も、 いささか、〔e'tranger〕 の感があった。 Son coeur est un luth suspendu; 〔Sito^t qu'on le touche il re'sonne.〕 「彼が心は懸《か》かれる琵琶《びわ》にして、 触るればたちまち鳴りひびく」 〔La pense'e doit remplir toute l'existence.〕 jusqu'〔a`〕 presqu'〔i^le〕 'Je me suis 〔blesse'e〕', dit-elle. 'bless〔e'〕e' [二十歳の 〔E'tude〕] ----------------------------------- [#大見出し]訓点[#大見出し終わり] ----------------------------------- 自[#二]女王國[#一]東度[#レ]海千餘里。 見[#二]大人所[#一レ]敬。 而敬‐[#二]祭天神地祇[#一]。 山城[#(ノ)]國久世[#(ノ)]郡水主[#(ニ)]坐[#(ス)]山背[#(ノ)]大國魂命[#(ノ)]神、 爾時倭姫命見悦給[#(弖)]、其處[#(爾)]魚見社定賜[#(支)]とあり。 噛[#(テ)][#二]古人貧交行[#(ノ)]之詩[#(ヲ)][#一]吐[#(テ)]而戯序[#(ス)] 未[#「未」の左に「ザル」のルビ][#(ダ)][#レ]若[#(カ)][#二]貧[#(シクシテ)]而樂[#(シミ)][#レ]道[#(ヲ)]、富[#(ミテ)]而好[#(ム)][#レ]禮[#(ヲ)]者[#(ニハ)][#一]也[#(ト)]。 ----------------------------------- [#大見出し]強調[#大見出し終わり] ----------------------------------- 腹がへっても[#「腹がへっても」に傍点]、ひもじゅうない[#「ひもじゅうない」に傍点]とかぶりを振っている… 責[#「責」に傍点]空文庫 責[#「責」に白ゴマ傍点]空文庫 責[#「責」に丸傍点]空文庫 責[#「責」に白丸傍点]空文庫 責[#「責」に黒三角傍点]空文庫 責[#「責」に白三角傍点]空文庫 責[#「責」に二重丸傍点]空文庫 責[#「責」に蛇の目傍点]空文庫 責[#「責」にばつ傍点]空文庫 [#傍点]青空文庫で読書しよう[#傍点終わり]。 [#白ゴマ傍点]青空文庫で読書しよう[#白ゴマ傍点終わり]。 [#丸傍点]青空文庫で読書しよう[#丸傍点終わり]。 [#白丸傍点]青空文庫で読書しよう[#白丸傍点終わり]。 [#黒三角傍点]青空文庫で読書しよう[#黒三角傍点終わり]。 [#白三角傍点]青空文庫で読書しよう[#白三角傍点終わり]。 [#二重丸傍点]青空文庫で読書しよう[#二重丸傍点終わり]。 [#蛇の目傍点]青空文庫で読書しよう[#蛇の目傍点終わり]。 [#ばつ傍点]青空文庫で読書しよう[#ばつ傍点終わり]。 責[#「責」の左に傍点]空文庫 責[#「責」の左に白ゴマ傍点]空文庫 責[#「責」の左に丸傍点]空文庫 責[#「責」の左に白丸傍点]空文庫 責[#「責」の左に黒三角傍点]空文庫 責[#「責」の左に白三角傍点]空文庫 責[#「責」の左に二重丸傍点]空文庫 責[#「責」の左に蛇の目傍点]空文庫 責[#「責」の左にばつ傍点]空文庫 [#左に傍点]青空文庫で読書しよう[#左に傍点終わり]。 [#左に白ゴマ傍点]青空文庫で読書しよう[#左に白ゴマ傍点終わり]。 [#左に丸傍点]青空文庫で読書しよう[#左に丸傍点終わり]。 [#左に白丸傍点]青空文庫で読書しよう[#左に白丸傍点終わり]。 [#左に黒三角傍点]青空文庫で読書しよう[#左に黒三角傍点終わり]。 [#左に白三角傍点]青空文庫で読書しよう[#左に白三角傍点終わり]。 [#左に二重丸傍点]青空文庫で読書しよう[#左に二重丸傍点終わり]。 [#左に蛇の目傍点]青空文庫で読書しよう[#左に蛇の目傍点終わり]。 [#左にばつ傍点]青空文庫で読書しよう[#左にばつ傍点終わり]。 この形は傍線[#「傍線」に傍線]と書いてください。 責[#「責」に傍線]空文庫 責[#「責」に二重傍線]空文庫 責[#「責」に鎖線]空文庫 責[#「責」に破線]空文庫 責[#「責」に波線]空文庫 [#傍線]青空文庫で読書しよう[#傍線終わり]。 [#二重傍線]青空文庫で読書しよう[#二重傍線終わり]。 [#鎖線]青空文庫で読書しよう[#鎖線終わり]。 [#破線]青空文庫で読書しよう[#破線終わり]。 [#波線]青空文庫で読書しよう[#波線終わり]。 責[#「責」の左に傍線]空文庫 責[#「責」の左に二重傍線]空文庫 責[#「責」の左に鎖線]空文庫 責[#「責」の左に破線]空文庫 責[#「責」の左に波線]空文庫 [#左に傍線]青空文庫で読書しよう[#左に傍線終わり]。 [#左に二重傍線]青空文庫で読書しよう[#左に二重傍線終わり]。 [#左に鎖線]青空文庫で読書しよう[#左に鎖線終わり]。 [#左に破線]青空文庫で読書しよう[#左に破線終わり]。 [#左に波線]青空文庫で読書しよう[#左に波線終わり]。 …はっきりといった。 「クリス、宇宙航行委員会が選考[#「選考」は太字]するんだ。きみは志願できない。待つ[#「待つ」は太字]んだ」 「わかってるさ」 「[#太字]クリス、宇宙航行委員会が選考するんだ。きみは志願できない。待つんだ[#太字終わり]」 …以来渡部は、調整という名の仕上げ作業を仙台で半年以上も続けた★。 [#ここから2字下げ] [#ここから太字] ★東北大学の大泉充郎らがどのような経緯で電子計算機の開発を目指し、渡部和らがいかに悪戦苦闘を続けたかは、東北大学側を情報源とした、八甫谷邦明「SENAC開発余話」(『コンピュートピア』一九七五年八月号)に詳しい。 [#ここで太字終わり] [#ここで字下げ終わり] このSENACと同じものを作れと命じられた浜田は、工場に残されたぼろぼろの設計図を開いて頭を抱え込んだ。 Which, teaching us, hath this exordium: Nothing from nothing ever yet was born.[#「Nothing from nothing ever yet was born.」は斜体] 「[#斜体]クリス、宇宙航行委員会が選考するんだ。きみは志願できない。待つんだ[#斜体終わり]」 …以来渡部は、調整という名の仕上げ作業を仙台で半年以上も続けた★。 [#ここから2字下げ] [#ここから斜体] ★東北大学の大泉充郎らがどのような経緯で電子計算機の開発を目指し、渡部和らがいかに悪戦苦闘を続けたかは、東北大学側を情報源とした、八甫谷邦明「SENAC開発余話」(『コンピュートピア』一九七五年八月号)に詳しい。 [#ここで斜体終わり] [#ここで字下げ終わり] このSENACと同じものを作れと命じられた浜田は、工場に残されたぼろぼろの設計図を開いて頭を抱え込んだ。 ----------------------------------- [#大見出し]画像とキャプション[#大見出し終わり] ----------------------------------- …官庁のイレモノは立派にと、当時の伊藤政府が心をくだいて打建てた記念物で、これがコンドル博士の設計に成るものである。 [#コンドル博士の図(fig47728_06.png、横320×縦322)入る] ――その後はどうなつたらうか。東京のかう壊れない前は、浜町公園に行くと、園内に誰しも何だらう?と思ふ、西洋のお宮のやうな、一基の建てものがあつた。これが、さゝやかながらコンドル博士を記念した「堂宇」といへばいへたやうなもので、諸方のコンドルさんが手がけた建築物の遺品をあつめて作つたものだつた。ああその遺品さへも、今は現にこの東京で、手に入り難い。 …何分にも時間がなく、前から頼んで置いた恩納村の人々は、定めし踊りを見せようと待つてゐられることゝ氣がせかれるので、詳しい調査は、一度島田君にでも來てもらつてすることにして、二時頃名護に引きかへす。 [#「第一七圖 國頭郡今歸仁村今泊阿應理惠按司勾玉」のキャプション付きの図(fig4990_07.png、横564×縦424)入る] 第一七圖 國頭郡今歸仁村今泊阿應理惠按司勾玉[#「第一七圖 國頭郡今歸仁村今泊阿應理惠按司勾玉」はキャプション] [#石鏃二つの図(fig42154_01.png)入る] 神戸港頭の袂別[#「神戸港頭の袂別」はキャプション] …私も彼らが涙を溢《こぼ》すと共に喜びの涙を溢しました。その翌日余り高くない波動状の山脈を五里ばかり進んで参りますと遙かの向うのマンリーという雪峰が聳《そび》えて居る。これは海面を抜くこと [#「阿耨達池とカイラス雪峰」のキャプション付きの図(fig49966_15.png、横453×縦350)入る] 阿耨達池とカイラス雪峰[#「阿耨達池とカイラス雪峰」はキャプション] [#窓小見出し]二万五千六百尺[#「尺」に「〔呎〕」の注記]の雪峰[#窓小見出し終わり] であって巍然《ぎぜん》として波動状の山々の上に聳えて居る様はいかにも素晴らしい。その辺へ着きますと閃々《せんせん》と電光が輝き渡り迅雷《じんらい》轟々《ごうごう》と耳を劈《つんざ》くばかり。… [#キャプション]アケビ(Akebia quinata Decne[#「Decne」は斜体].)の果実[#キャプション終わり] …引用することは必ずしも無駄ではなかろう。 [#「第3図『雪華図説』図版第十面」のキャプション付きの図(fig52468_15.png、横360×縦507)入る] [#ここからキャプション] 第3図『雪華図説』図版第十面 本図は加納一郎氏所蔵原本より複写したもので,貴重な原本を貸与された同氏の厚志を謝す.なお文久二年大槻磐渓の重刻本もただ一箇順序のちがったものがあるが,図は原本と同じものである. [#ここでキャプション終わり] ----------------------------------- [#大見出し]その他[#大見出し終わり] ----------------------------------- 吹喋[#「喋」に「ママ」の注記] 紋附だとか[#「紋附だとか」は底本では「絞附だとか」] 私は籠《ざる》[#ルビの「ざる」は底本では「さる」]をさげ 広場へに[#「広場へに」はママ]店でもだそう。 お湯《ゆう》[#ルビの「ゆう」はママ] 青空文庫《あおぞらぶんこ》 霧の|ロンドン警視庁《スコットランドヤード》 〆切《しめきり》を逃れるために、市ヶ谷《いちがや》から転々《てんてん》と、居を移した。 …水鉢を置いた※[#「木+靈」、第3水準1-86-29]子窓《れんじまど》の下には… 青空文庫[#「青空文庫」の左に「あおぞらぶんこ」のルビ] [#左にルビ付き]※[#「木+靈」、第3水準1-86-29]子窓[#左に「れんじまど」のルビ付き終わり] 青空文庫《あおぞらぶんこ》[#「青空文庫」の左に「aozora bunko」のルビ] 大空文庫[#「大空文庫」に「ママ」の注記] 大空文庫[#「大空文庫」の左に「ママ」の注記] [#注記付き]名※[#二の字点、1-2-22][#「(銘々)」の注記付き終わり] [#注記付き]勝安房守[#「本ト麟太郎※[#コト、1-2-24]」の注記付き終わり] [#左に注記付き]名※[#二の字点、1-2-22][#左に「(銘々)」の注記付き終わり] [#左に注記付き]勝安房守[#左に「本ト麟太郎※[#コト、1-2-24]」の注記付き終わり] 大空文庫《あおぞらぶんこ》[#「大空文庫」の左に「ママ」の注記] 米機B29[#「29」は縦中横]の編隊は、 [#縦中横](※[#ローマ数字1、1-13-21])[#縦中横終わり] …理論家の説と[#割り注]ヒロソヒイ[#割り注終わり]政治家の事[#割り注]ポリチカルマタル[#割り注終わり]とは大に区別あるものなり。… 被官《ひかん》([#割り注]中世、上級武士に下属して家臣化した下級武士[#割り注終わり])、下部《しもべ》が恣《ほしいまま》にその主人を見棄てて他へ出奔し、… 飽海郡南平田村大字飛鳥[#割り注]東は字大林四三七[#改行]西は字神内一一一ノ一[#割り注終わり] それ以上である。(5)[#「(5)」は行右小書き] それ以上である。(5)[#「(5)」は行左小書き] [#行右小書き]※[#丸1、1-13-1][#行右小書き終わり] 22[#「2」は上付き小文字] H2[#「2」は下付き小文字]O [#上付き小文字]※[#丸1、1-13-1][#上付き小文字終わり] [#ここから10字詰め] 昭和十五年五月二十九日京都義方会に於ける講演速記で同年八月若干追補した。 [#ここで字詰め終わり] [#1字下げ]第一部 最終戦争論[#「第一部 最終戦争論」は大見出し] [#ここから16字下げ] [#ここから20字詰め] 昭和十五年五月二十九日京都義方会に於ける講演速記で同年八月若干追補した。 [#ここで字詰め終わり] [#ここで字下げ終わり] [#3字下げ]第一章 戦争史の大観[#「第一章 戦争史の大観」は中見出し] [#5字下げ]第一節 決戦戦争と持久戦争[#「第一節 決戦戦争と持久戦争」は小見出し] 戦争は武力をも直接使用して国家の国策を遂行する行為であります。今アメリカは、… その指令というのは―― [#ここから罫囲み] (指令本第一九九七八号) (一)QX30[#「30」は縦中横]トQZ19[#「19」は縦中横]トハ、即刻《そっこく》間諜座《かんちょうざ》ニ赴《おもむ》キ、「レビュー・ガール」の内《うち》ヨリ左眼[#「左眼」に丸傍点]ニ義眼ヲ入レタル少女ヲ探シ出シ、彼女ノ芸名ヲ取調ベ、QZ19[#「19」は縦中横]ハ直《ただ》チニR区裏ノ公衆電話|傍《そば》ニ急行シテ黄色ノ外套《がいとう》ヲ着《ちゃく》セル二人ノ同志ニ之《これ》ヲ報告セヨ。又QX30[#「30」は縦中横]ハ間諜座内ニ其儘《そのまま》止リテ、打出《うちだ》シト共《とも》ニ群衆ニ紛《まぎ》レテ脱出セヨ。 (二)右ノ報告ヲ本日午後十時マデニ報告シ得ザルトキハ、在京《ざいきょう》同志ハ悉《ことごと》ク明朝《みょうちょう》ヲ待タズシテ鏖殺《おうさつ》セラルルコトヲ銘記《めいき》セヨ。 [#ここで罫囲み終わり] [#ここから1字下げ] [#ここから罫囲み] 附記[#「附記」は太字] この探偵小説には私が懸賞をだします。犯人を推定した最も優秀な答案に、この小説の解決篇の原稿料を呈上します。細目はいずれ、誌上に発表しますが、だいたい、九回か十回連載の予定、大いに皆さんと知恵くらべをやりましょう。当らなければ、原稿料は差上げませんよ。たいがい、差上げずに、すむでしょう。[#地から1字上げ]坂口安吾 [#ここで罫囲み終わり] [#ここで字下げ終わり] [#ここから4字下げ] [#ここから28字詰め] [#ここから罫囲み] 仕事を少しでも怠《なま》けたと見るときには大焼き[#「大焼き」に傍点]を入れる。 組をなして怠けたものにはカムサツカ[#「カムサツカ」に傍点]体操をさせる。 罰として賃銀棒引き、 函館へ帰ったら、警察に引き渡す。 いやしくも監督に対し、少しの反抗を示すときは銃殺[#「銃殺」に傍点]されるものと思うべし。 浅川監督 雑夫長 [#ここで罫囲み終わり] [#ここで字詰め終わり] [#ここで字下げ終わり] そしてキ劇の[#「キ劇の」は罫囲み]犠牲になるようなことは [#ここから3字下げ] [#ここから横組み] 手持現金旧券+(新円100円×家族人数)+500円以内の給料+300円+(100×X) [#ここで横組み終わり] [#ここで字下げ終わり] [#ここから9字下げ] Impia tortorum longos hic turba furores Sanguinis innocui, non satiata, aluit. Sospite nunc patria, fracto nunc funeris antro, Mors ubi dira fuit vita salusque patent. 「ここにかつて神を恐れざる拷問者の群れ、飽くことなく、 罪なき者の血に、長くそが狂暴の呪文《じゅもん》を育《はぐく》みぬ。 今や国土やすらかに、恐怖の洞穴はうちこわされ、 恐ろしき死のありしところ、生命と平安と現われたり」 [#ここから10字下げ] 〔パリのジャコバン倶楽部の遺趾《いし》に建てらるべき市場の門扉にしるすために作られた四行詩〕 [#ここで字下げ終わり] [#ここから横組み] [#ここから1字下げ] “〔Die Humanita:t erst bringt klarheit u:ber die Menschenwelt, und von da aus auch u:ber die Go:tterwelt〕” [#ここで字下げ終わり] [#地から1字上げ]―H.Cohen [#ここで横組み終わり] …小さく書かれてあるスハフ[#「スハフ」は横組み] 134273 とい… それからいきおいよく書きまくった。[#横組み]Zenzo Kasai, one of the most unfortunate Japanese novelists at present, said,“[#横組み終わり]――葛西《かさい》善蔵は、そのころまだ生きていた。 [#3字下げ]火星の女[#「火星の女」は大見出し] [#3字下げ]県立高女の怪事[#「県立高女の怪事」は2段階大きな文字] [#6字下げ]ミス黒焦事件 [#8字下げ]噂は噂を生んで迷宮へ [#5字下げ]本日記事解禁[#「本日記事解禁」は1段階小さな文字][#「本日記事解禁」は罫囲み] 去る三月二十六日午前二時ごろ、市内大通六丁目、県立高等女学校内、運動場の一隅に在る物置の廃屋《あばらや》より発火し、… [#1段階大きな文字]青空文庫であって責空文庫ではない。[#大きな文字終わり] [#1段階小さな文字]青空文庫であって責空文庫ではない。[#小さな文字終わり] …以来渡部は、調整という名の仕上げ作業を仙台で半年以上も続けた★。 [#ここから2段階大きな文字] ★東北大学の大泉充郎らがどのような経緯で電子計算機の開発を目指し、渡部和らがいかに悪戦苦闘を続けたかは、東北大学側を情報源とした、八甫谷邦明「SENAC開発余話」(『コンピュートピア』一九七五年八月号)に詳しい。 [#ここで大きな文字終わり] …以来渡部は、調整という名の仕上げ作業を仙台で半年以上も続けた★。 [#ここから1段階小さな文字] ★東北大学の大泉充郎らがどのような経緯で電子計算機の開発を目指し、渡部和らがいかに悪戦苦闘を続けたかは、東北大学側を情報源とした、八甫谷邦明「SENAC開発余話」(『コンピュートピア』一九七五年八月号)に詳しい。 [#ここで小さな文字終わり] 青空[#「青空」は1段階大きな文字] 青空[#「青空」は2段階大きな文字] 青空[#「青空」は3段階大きな文字] 青空[#「青空」は4段階大きな文字] 青空[#「青空」は5段階大きな文字] 青空[#「青空」は1段階小さな文字] 青空[#「青空」は2段階小さな文字] 青空[#「青空」は3段階小さな文字] 青空[#「青空」は4段階小さな文字] 青空[#「青空」は5段階小さな文字]
HTMLに変換
プレビュー
HTMLを表示
ダウンロード